こまいぬ 狛犬 komainu

東京(武蔵國:江戸)の狛犬

上から順に、富岡八幡宮 ・ 神田大明神 ・ 靖国神社 ・ 湯島神社 ・ 王子神社 ・ 愛宕神社 ・ 上野東照宮 ・ 花園稲荷神社 ・ 五条天神社

番外として、神田大明神の狐 ・ 日枝神社の猿 ・ 湯島神社の牛 ・ 日本橋の獅子と麒麟 ・ 三越のライオン


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左の2体は社殿前の狛犬で享保十二年(1727)製。
右2体は境内の稲荷神社前に居ます。こちらは宝暦十三年(1763)製。
右の「阿」形の方は、目が飛び出るほど驚いたという感じが表れている。
「にらめっこしましょ、あっぷっぷ」で吽形のほうの狛犬が首筋を立てて四角い目をしたので
阿形のほうの狛犬がびっくりしたときの瞬間をとらえたものかな。
もしかしたら、「しまった!!」という時の顔かもしれない。みんないい顔してます。
富岡八幡宮境内には他にも2対くらい居たような気がする
  富岡八幡宮公式サイト




江戸城の鬼門を守る
神田神社(神田大明神)の狛犬は
筋肉隆々
鍛えぬかれた闘犬のような体つき。
阿形の狛犬の頭には角っぽいものが
あるけど多分、毛だと思います。
昭和八年五月奉献
石匠 野村保太郎
神田神社公式サイト




千代田区指定文化財の石獅子

享保年間(1716~1735)に、下野(現栃木県)の名工
「石切藤兵衛
(いしきりとうべえ)」が作ったと伝わる。
両替商らが仲間を募って文久二(1862)年に奉納。







神田大明神境内にあります。

よく見ると肌が肉食恐竜?みたいな
感じになっている(ボツボツ肌)。







神田駿河台1丁目にある、古い由緒をもつ神社です。
古社名「一口(いもあらい)稲荷神社」
霊験あらたからしい。

太田姫稲荷神社(千代田区観光協会のホームページ)




端正
な感じのする狛犬。
吽形の方はちゃんと頭に角が生えている!
形式通りの狛犬だ。

昭和三十一年(1956)奉納。

靖国神社公式ホームページ




猫背な狛犬。
吽形には角は無い。阿形・吽形、両方とも獅子タイプ。
平成九年(1997)奉納。意外に新しい。
湯島天神公式サイト




吽形の狛犬は子獅子を踏みつけ、阿形の方は鞠で遊んでいる!

昭和五十一年(1976)奉納

王子神社公式ホームページ




港区の愛宕山山頂にある愛宕神社。
山の周囲は高いビルに囲まれ、完全に山の面目丸つぶれ。
山頂へ登る男坂の長い階段だけが唯一、山であることを主張している。
狛犬は、その男坂の下に居ます。
なかなか立派な御容姿です。





胸厚!
ボディービルダー
じゃないんだから・・・。

胸の筋肉つきすぎでしょ。勇ましいんですけどね。
江戸三大石匠の一人、石屋八右衛門(=酒井八右衛門=井亀泉せいきせん)の作。大正3年(1914)奉納
~上野恩賜公園内~

江戸三大石匠:廣群鶴(こうぐんかく=廣瀬群鶴)・窪世祥(くぼせいしょう=大窪)・井亀泉(せいきせん=酒井八右衛門)

上野東照宮公式ホームページ







上野恩賜公園内の花園稲荷神社の狛犬です。
神社へ向かう、ずら~っと並ぶ赤い鳥居の前に居ました。
(社殿の前に居たのは狐でした)

宝暦3年(1753)奉納





上野恩賜公園内、
医薬祖神五条天神社の狛犬。

カッコ良く勇ましい。

五条天神社(東京都神社庁ホームページ)
同じく五条天神社の狛犬です!


摺鉢山(上野山)の
ページ参照



日本橋蛎殻町の水天宮の狛犬。
気品のある恐い顔

昭和四十二年五月吉日

水天宮公式ホームページ




台東区浅草の浅草寺に隣接する浅草神社。

天保七丙申(1836)年

浅草神社公式サイト



同じく浅草神社の狛犬
浅草神社社殿復元記念の狛犬です。

昭和三十八(1963)年五月










浅草寺境内恵日須・大黒天堂の前にいた狛犬。

奉納年不明

浅草寺公式サイト




浅草寺境内弁天堂にいた狛犬。
時の鐘があるところです。
狛犬は線がはっきりとしています。

奉納年不明





浅草にある山?隅田川に近い待乳山(標高9.7m)にある待乳山聖天の狛犬。

待乳山のページ
同じく待乳山聖天の狛犬。



深大寺境内にある白山社の狛犬です。
明治18年に白山社・稲荷社・山王社の三神を合社したものらしい。

天保12年(1842)奉納

深大寺公式ホームページ




青渭神社(あおいじんじゃ)
深大寺の近くの神社です。
旧深大寺町の総鎮守。
鳥居の横に調布市文化財天然記念物に指定された槻(けやき)の巨木があります。

明治13年(1880)奉納

グーグルマップ


狛犬じゃない・ 番外 ・狐とか猿とか牛とか獅子とか麒麟!





神田大明神の境内にある、末廣稲荷社の狐。
全体的に稲荷神社の狐は、狛犬と違い、デザインが単純で皆、似たような容姿ですが、ココの狐はカッコイイ!それぞれ「玉」「鍵」をくわえています。
享和二年建立、昭和四十一年再建と台座に記されている。






擬人化した

千代田区永田町にある日枝神社。
大田道灌が川越の日枝神社より勧請した神社なのですが川越の日枝神社よりも、こちらの方が大きくて立派な神社です。
川越のほうは狛犬もサルもいないし、地味な神社でした。山王、日吉、日枝神社は猿が神使となっていますが、由来は何だろう?初めて見た時、秀吉が祭られているのかと思ってしまった。
日枝神社公式ホームページ




湯島神社
菅原道真を祀っている神社は牛が居ることが多い。
その理由は菅公のご遺骸をお運びしていた途中、車を引く牛が座りこんで動かなくなり、やむなくその場所にあった安楽寺に埋葬したのが大宰府天満宮の発祥の地となったという伝説や、生まれが乙丑年、丑月、丑日、丑刻だったという伝説などからきているらしいです。湯島天神公式サイト





隅田川神社のコマ亀
神社拝殿前、参道の両脇にいます。隅田川神社(東京都神社庁ホームページ)



一見、狛犬に見えますが、獅子です!
中央区日本橋にある日本橋(にほんばし)です!

国指定重要文化財にも指定されている「日本橋」。明治44年(1911)に竣工されたルネサンス様式2連アーチ型石橋で、橋の両側、欄干の4隅に居ます。ちゃんと左右で阿吽の呼吸をとっています。足をのせているのは、東京都の紋章。
東京の守護 と 威厳 を表しているという。

日本橋グーグルマップ



 麒麟 きりん   Dragon
同じく日本橋。橋の両側の欄干中央に、北向き2体・南向き2体。この麒麟も左右で阿吽の呼吸をとっています。東京の繁栄を表しているらしい。
調べてみると、麒麟は古代中国の想像上の霊獣で瑞獣。殺生をしない仁獣ともされ、聖人が世に出る前兆として現れるめでたい獣です。1角獣で体は鹿、尾は牛、足は馬、色は五彩で腹下は黄色、「麒」が雄で「麟」が雌、等あるのですが、羽があるという記述はどこにも無い。ということは、この霊獣はなにか?一見、西洋のドラゴンっぽいが、尻尾がドラゴンじゃない。首から上は明らかに東洋の龍だ。羽は西洋のドラゴン。カッコイイんですけどね。麒麟、龍、ドラゴン、ペガサス、ユニコーンを参考にして創造したっぽい。しかし、そもそも、ペガサス、ユニコーンは麒麟からきてるのでは?
  ちなみに「麒麟」という漢字の左側の偏は「鹿」ですが、駿馬・名馬の類を表すときの「きりん」は、左側の偏が「馬」で、「騏驎」と書きます。
(「鹿」偏の場合は瑞獣のことをいう。英語だとkylin[kāilin/kīn]です。動物のキリンはgiraffe)
※後で知ったのですが、『大辞林』には、麒麟に翼があるという記述がありました。
←こちらは浅草神社の拝殿に描かれている麒麟。
角が2本あることを除けば、この麒麟が基本の容姿に近いんじゃないかな。
←こちらはキリンビールの麒麟。「キ」「リ」「ン」という隠し文字が入っている(赤丸のところ)。
キリンビールは三菱系の会社で、その三菱の創業者岩崎弥太郎と関係のあった坂本龍馬を麒麟にイメージしたともいわれる。確かに、頭は「龍」で体は「馬」とも見てとれる。





Lion

三越本店正面玄関のライオン(👉グーグルマップ
ロンドンのトラファルガー広場にあるネルソン記念塔下のライオン像を模したもの。(👉グーグルストリートビュー
大正三年(1914)に設置。

日本橋の三越(本店)は平成十一年(1999)東京都選定歴史的建造物に指定、平成二十八年(2016)国重要文化財に指定されている。

建築年大正三年(1914)、大正十二年(1923)関東大震災で損傷、昭和二年(1927)復興、昭和十年(1935)全館増改築竣工。

日本橋三越本店(別リンク)

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