日帰り登山へGO! > 栃木県の山 > 行道山(山中に古刹の浄因寺・葛飾北斎「くものかけはし」)

行道山 ぎょうどうさん 標高441.7m  3等三角点  栃木百名山
駐車場から約50分 栃木県足利市 地図リンク 👉 地理院地図
足尾山地南端部の一支脈にある山。足利市街地北西部の機神山から北へ、両崖山、大岩山に続く。山中に奈良時代・和銅六年(713)行基上人が開山と伝わる浄因寺があり、山岳信仰の霊場とされていた。境内には岩上に建てられた懸造りの清心亭(せいしんてい)や、その岩上に架かる天高橋(てんこうきょう)があり、それらは葛飾北斎の『諸国名橋奇覧』に「足利行道山くものかけはし」として描かれ、また、当寺は関東の高野山とも呼ばれ、参詣・物見遊山で賑わった。この境内の景色は昭和50年(1975)に栃木県の名勝第1号に指定されている。山中には行基上人分身入定の聖地があり(奥の院)、数多くの石仏も安置される。浄因寺の山号である「行道山」が山名の由来。行道山は浄因寺がある一帯の山をいい、狭義では最高峰である標高441.7mの峰は石尊山と称し、その北側にある標高434mの峰を行道山と称す。足利県立自然公園に属し、機神山南麓の織姫神社から北へ、両崖山、大岩毘沙門天(日本三大毘沙門天・最勝寺)、大岩山、行道山、浄因寺、名草巨石群(国天然記念物)へとハイキングコースが通じる。栃木百名山(下野新聞社選定)の一つに選ばれている。
🚙近くの高速道路インターチェンジ ☞ 北関東自動車道足利、または太田桐生
🅿浄因寺駐車場 👉 グーグルマップ (駐車場にトイレは無いが、駐車場に至る手前約600m 車道沿いにトイレあり)

2018.3.草木萌動


①駐車場の一番奥に浄因寺への入り口。石段を登って行きます。
 [行道山浄因寺0.2㎞/名草巨石群8.3㎞](関東ふれあいの道)
 入口には小型のモノレールが設置されているが 、いつ稼働しているのか?(モノレールは清心亭付近が終点)

②駐車場から石段を100mほど登ったところに東屋があります。
もう少し石段を登ると六地蔵。
(東屋と説明板の間を通り抜けると大岩毘沙門天への巻き道がある)

③道中には石仏多数。
(山中には三万三千体の石仏があるという)

 ④六地蔵  (実は12体のお地蔵さん)
 御真言は「オン カカカ ビサンマエイ ソワカ」

山門 浄因寺には2つの山門があります。
一つ目の山門には浄因寺の山号である「行道山」の扁額が掲げられている。
⑥2つ目の山門をくぐり、もう少し石段を登ると
浄因寺の本堂の並びにでます。

⑦本堂のある並びに出ました。左に鐘楼があり、その先に本堂がある。
まずは、本堂に参拝、次いで清心亭を見に行く。(スグそばです)

鐘楼 「相愛之鐘」
昭和四十六年製 金婚記念

行道山浄因寺 本堂

⑩ガラス越しに本堂の中を覗くと、紫雲閣?と書かれた扁額が掲げてあった。
異体字だ。漢和辞典に載っていない漢字。

お~っっっ!! 昭和の電灯! 昭和何年くらいのものかな?
 鰐淵は大正八年(1919)銘だから99年前のものだ!(2018年時)

清心亭(茶室) 大きな岩の上に岩からはみ出して建っている!!
 この懸造り(かけづくり)は、かなりきわどい!
 清心亭の建つ岩に架かる「天高橋(てんこうきょう)」は、江戸時代、浮世絵師の葛飾北斎が『諸国名橋奇覧』に「足利行道山くものかけはし」として紹介、広く知れわたる。
 崩落の危険性があるのか、工事中なのか?清心亭の建つ岩へは立入禁止となっていた。
 撮影するなら秋の紅葉シーズンが良いらしい。
清心亭は元和九年(1623)、明治十九年(1886)と二度の火災に遭い、現在のものは平成5年(1993)に再建されたもの。
浄因寺境内の風景は、昭和50年(1975)栃木県の名勝第1号に指定される。
『諸国名橋奇覧』「足利行道山くものかけはし」👉(外部リンク)すみだ北斎美術館
ちなみに北斎は「あほくさい」、写楽は「しゃらくさい」。葛飾北斎と東洲斎写楽は同一人物という説がある。

写真⑥の場所まで戻り、山頂を目指す。
道標の指し示す「ハイキングコース・寝釈迦」方面へ。
すぐ上に熊野社があります。


熊野社で参拝。
[石尊山見晴台0.6㎞/行道山浄因寺0.1㎞](関東ふれあいの道)
(石尊山見晴台=行道山山頂です)
熊野社からは浄因寺境内を見下ろせます。


熊野社社殿の左側から廻ってさらに登って行く。

⑭歴代住職のお墓がずら~っと並ぶ。その奥にある赤い社はなんだろう?何も記されていない。こちらも住職のお墓か?

もう少し登っていくと寝釈迦像のある岩塊の下に出ます。

奥の院
寝釈迦/石尊山見晴台0.5㎞/行道山浄因寺0.2㎞]
(関東ふれあいの道)

寝釈迦像のほうへ行くとテーブルベンチあり。展望良い。

奥の院 寝釈迦 岩塊の上で寝てます。なかなかイイ感じの石像です。
 享保四年と刻まれている(1719年)。8代将軍 徳川吉宗の頃だ。
 この岩塊にはたくさんの石仏や石塔が安置されています。
 ここは行道山や大岩山を開山した行基上人が分骨入定された場所と伝わる聖地です。
 〈行基上人は奈良時代の天平二十一年(749)に入滅〉

道標の指す「石尊山見晴台」(=行道山山頂)方面へ進む。


⑰尾根上に出たら左へ(ここを右に行くと434M峰)。 もうすぐ行道山山頂。
[石尊山見晴台0.2㎞/行道山浄因寺0.5㎞]
(この地点、最近は仏法僧峠と呼ぶようです2025.4.確認。正式な名称なのか?


行道山山頂(石尊山見晴台) 標高441.7m 3等三角点(点名:板倉)
 山頂はまあまあの広さ。文化三寅年(1806)銘の石祠(台石と屋根の部分のみ)・文化五年(1808)の石祠(こちらは壊れていない)・東屋・テーブル・ベンチ・展望盤があります。
 展望盤には、「現在地 石尊山見晴台」とある。この展望盤が設置された頃は、この頂は石尊山と呼ぶのが主流だったのか?
 浄因寺がある一帯の山を行道山と呼び、狭義では最高点である標高441.7mの当峰は石尊山と称し、北隣りの434m峰が行道山ということか?
 南へ約600m、尾根伝いに隣接する大岩山も剣ヶ峰という別称がある。
石尊山はココから北西約5㎞のところにもあるので紛らわしい。(そっちの石尊山は標高486.5m)。

行道山山頂からの展望 山座同定

  写真⑱クリックで拡大します 

⑲ 浅間山~榛名山~草津白根山~赤城山~皇海山~日光白根山~男体山
 (西~北方面)

⑳南東~南方面の眺望。大岩山まで約0.6㎞、両崖山まで約2.8㎞、大小山(妙義山)まで約8.6㎞、三毳山(中岳)まで約18.7㎞。

帰りがけに隣りの434M峰(行道山)にも寄ってみた。(石尊山の北約260m)

行道山434M峰の頂上
(地理院地図を最拡大するとこちらの峰のほうに「行道山」の名が記されている。当峰が狭義においての行道山か?)
周囲は木々が林立し展望は無くひっそりとしている。かつてはこちらにも石祠が祀られていた形跡がある(台石が残っている)。
三角点は無し。
木々の隙間からは隣りの石尊山見晴台(441.7m)が見えた。
(石尊山見晴台から約10分)
(追記:2025.4.再訪。434m峰山頂に「後行道山」と記された山頂標があった。こちらの峰は後行道山という山名に決めたのか?。通称か?)

もう少し足を延ばして行道山から南へ尾根伝いに進むと大岩山。大岩山から南へ下り、野山分岐で道標の指す毘沙門天方面へ下り、天空東公園から巻道で浄因寺の石段(上写真②)へ戻ることが出来ます。大岩山のページ参照(写真㉑天空東公園

大岩山山頂―行道山山頂


行道山(石尊山)山頂から南へ進むと大岩山を経て毘沙門天を祀る最勝寺に出ます。この毘沙門天は日本三大毘沙門天の一つになっています(あとの2つは京都・鞍馬寺の毘沙門天と奈良・信貴山の毘沙門天)。行道山(石尊山)山頂から南へのコースは両崖山織姫神社を経て足利市街に出ます。


日本三大毘沙門天(外部リンク)👉 大岩山毘沙門天公式ホームページ

 👉鞍馬寺公式サイト   👉信貴山朝護孫子寺公式ホームページ


登山ルート
駐車場から行道山(石尊山)山頂まで約50分
下山は約40分

浄因寺駐車場
 ↑
浄因寺本堂
 ↑
熊野社
 ↑
寝釈迦
 ↑
行道山石尊山山頂

日帰り登山へGO!   尾根伝いの隣りの山大岩山(毘沙門天側から登る)

近くの山両崖山 ・ 天狗山

行道山の西方2.7㎞に石棒があります。

近くの観光地(外部リンク)
 👉 名草の巨石群(国天然記念物) 足たび 足利市観光協会公式サイト

近くの立ち寄り湯(外部リンク)
 👉 地蔵の湯 東葉間公式サイト