日帰り登山へGO!>茨城県の山>加波山(桜川市真壁から登る)
加波山 かばさん 標高708.8m 3等三角点 地図リンク→ 地理院地図 | |
加波山神社桜川里宮の駐車場から加波山山頂まで約1時間20分 | 茨城県桜川市(旧真壁郡真壁町)/石岡市(旧新治郡八郷町) |
加波山神社駐車場(トイレ無し、神社にもありません) グーグルマップ トイレはここから380mほど離れたところにある市営駐車場にあるようです。グーグルマップ |
加波山の神社は、ややこしい。 |
平安時代に編纂された『日本三代実録』貞観十七年(875)十二月二十七日条に「授二常陸国正六位上三枝祇神、従五位下一」とある。この「三枝祇神(さえなづみしん)」が加波山神社といわれる。 江戸時代の頃には、本宮、中宮(天中宮)、親宮(新宮)の3つに分かれ、それぞれに3つの別当寺院が管理。加波山本宮は正幢院(真言宗)、加波山中宮(天中宮)は文殊院(真言宗)、加波山親宮は円鏡院(真言宗)。神仏混淆で、加波山権現と称されていた。熊野修験が大きく関与していたと思われる。 明治初年、神仏分離・廃仏毀釈により、別当であった3寺院は廃寺。それぞれ、神社として独立。本宮は加波山三枝祇神社となり、親宮は加波山三枝祇神社に合祀され、中宮は加波山神社となった。 加波山三枝祇神社本宮・親宮(旧村社):加波山の西麓が主な信仰圏。里宮は加波山西麓の桜川市真壁町長岡(旧真壁郡真壁町長岡)。星の宮とも呼ばれる。 加波山神社(旧郷社):加波山の東側が主な信仰圏。里宮は加波山東麓の石岡市大塚(旧新治郡八郷町大塚)に明治十一年(1878)建立。のち、明治三十四年(1901)桜川市真壁町長岡にも里宮が建立される。現在の加波山神社は平成年代に修改築されたもので、色鮮やかな社殿となっている。また、宗教法人箱根大天狗山神社(神奈川県足柄下郡箱根町須雲川)との関係が深い。 加波山山頂、三角点の前にある社殿は加波山三枝祇神社本宮本殿(扁額「加波山大神社」)、山上部南側(山頂から南に少し下る)にあるのが加波山三枝祇神社本宮拝殿(扁額「加波山大神社」)、山上部北側(山頂から北へ少し下る)にあるのが加波山神社本殿(扁額「加波山天中宮」)、そこから北側尾根を下ったところにたばこ神社、加波山親宮本殿、さらに尾根を北へ下った山中に加波山神社拝殿と加波山親宮拝殿。 (加波山親宮は、里宮では加波山三枝祇神社本宮に合祀されているが、山上にある拝殿と本殿は、本宮とは別の社殿が祀られている。) たばこ神社は加波山神社(中宮)の摂社で、1957(昭和32)年の創建と比較的新しい。昭和中期、煙草の需要が増え、加波山周辺の煙草栽培の豊作を願って創建されたという。たばこ神社は全国で7社ほどしかない。 加波山神社(中宮)と加波山三枝祇神社(本宮・親宮)は、それぞれ別々に祭事を行っている。 『日本三代実録』貞観十七(875)年十二月二十七日条にある「三枝祇神」は、加波山神社(中宮)と言われるが、加波山三枝祇神社(本宮)も同じく主張している。なお、加波山頂に建つ神社は加波山三枝祇神社(本宮)であり、また、加波山神社と加波山三枝祇神社の里宮境内を見比べたかぎりでは、加波山三枝祇神社のほうが歴史的雰囲気がある。 しかし、古代以前、及び古代においては加波山の西側よりも東側のほうが歴史が古く、当時は現石岡市に政治の拠点があったことからも、『日本三代実録』の三枝祇神は、加波山神社(中宮)と思われる。 |
2023.3.菜虫化蝶
桜川市真壁(加波山神社の桜川拝殿の駐車場)から登る
①普明神社の前の辺りに2つの駐車場が 並んであります(2つとも加波山神社の 駐車場です)。登山の場合は下側の方の 駐車場に。 ここから登山開始。 |
②加波山普明神社(加波山神社の末社)参拝。 こちらは普明神社の拝殿。本殿は加波山東腹にあります。 境内にたばこ資料館というのがあるが、やっていなかった。 興味深い。一合目です。 |
天狗の頭の骨を御神体と していると書いてあった!? |
③加波山へ向かって 車道を進んで行きます。 緩やかな登り坂です。 (普明神社の隣りが加波山神社) |
④加波山神社 加波山神社の桜川市側の里宮・遥拝殿。 煌びやかで豪華な社殿です。 参拝。加波山神社(加波山天中宮)は 2礼4拍手1礼らしい。 (かつてはユースホステル加波山荘も こちらで営業していたらしい。 今は宿泊事業は終了している) |
加波山神社の里宮は、加波山東麓の石岡市大塚にもあります(加波山神社の信仰圏は主に加波山東側だったので、本来の加波山神社里宮は石岡市大塚のほうとなりますが、社務所は、こちら桜川里宮にあります。加波山西側に主な信仰圏があったのは加波山三枝祇神社。)
⑤加波山神社付近から見た燕山・加波山・丸山 |
⑥神社から車道を加波山に向かって 道なりに上がって行くと、寝不動尊 (加波寝不動明王)に着きます。 二合目です。 (駐車場から約10分) |
⑦寝不動尊をお参り。 小ぎれいに掃除されているのを見ると清々しい。 さらに上へと進む。 |
⑧林間の緩やかな道を登って行くと 石段が現れます。 |
⑨車道に出る。三合目。桜観音・天狗之庭があります。 加波山親宮道/本宮道の分岐 (親宮道で登ると加波山上部北側に、 本宮道で登ると加波山上部南側に出ます)。 ここにも7台くらい停められそうな駐車場がありました。 (寝不動尊から約5分) |
⑩天狗之庭と呼ばれる宗教施設は廃墟と化している。(宗教法人箱根大天狗山神社の関係施設と思われる) 天狗などの像が数体見えます。 |
⑪桜観音 生花が供えられている。大切にされているんだなあ。 |
⑫加波山親宮道で山頂へ向かいました。 コンクリートの車道を登って行きます。 (下山は加波山本宮道で下りてきました。) |
⑬採石場の横を通過。 作業の最中で、大きな音を立てながら 大きな石が転がり落ちていた。迫力ある! 加波山産の御影石となる花崗岩。高級石材です。 そのままコンクリートの車道を登って行く。 |
⑭さらに上へ登って行ったところにも採石場。 山の表面を覆っている土の下が岩塊なのが分かる。 花崗岩の露頭。 もう少しコンクリート道歩きです。 |
⑮コンクリートの車道の終点。石祠がある。五合目です。ここから山林の中へ登山道を登って行きます。 (三合目から約20分) |
⑯七合目に山椒魚谷。「七合目」標石と「山椒魚谷」標石があります。 静かな流れの細い沢を渡り、さらに登って行く。(五合目から約15分) |
⑱神社の鳥居のところに分岐 [燕山1.0㎞・雨引山6.1㎞(関東ふれあいの道)/石岡市大塚(加波山の東側)方面/加波山山頂0.4㎞(関東ふれあいの道)/桜川市真壁町長岡(加波山の西側)]
(ここに広めの駐車場もあります。が、ここに来るまでの車道は、道幅の狭い悪路。下から歩いて登った方が気がラク。駐車場の端に高天原社の石祠あり。)グーグルマップ
⑲加波山神社拝殿と加波山親宮拝殿 この2社の拝殿の間が石岡市と桜川市の境界と思われる。 標高約632m (営林署道路から約10分) |
⑳加波山神社のほうは煌びやかだ。 烏天狗(青)と天狗(赤)の面。陰と陽。 「加波山天中坊大天狗」「加波山神社」 加波山神社は二礼四拍手一礼と書いてあった。 (親宮のほうは二礼二拍手一礼でいいのかな?) 加波山神社の狛犬(狛犬のページ) |
加波山神社の豪華な社殿は、平成年間に改築されたものらしい。それ以前はかなり老朽化が進んでいたという。
「平成6年8月~平成11年11月まで 総工費2億5千万円 加波山神社本殿修築、加波山神社拝殿改築、加波山神社社務所改築、加波山神社八郷大塚拝殿修築・境内整備、加波山神社真壁長岡拝殿・社務所修築、祖霊社改築、たばこ神社改築、加波山山頂境内整備」
加波山神社拝殿前にある「竣功記念信仰の碑」に刻まれている。
㉑かつて、加波山で登山競争が催されていたようです。1等になった人の名前とタイムを刻んだ碑が3本ありました。
スタート・ゴール地点が分からないのですが、約25分で登っている。第一回は昭和23年、第3回は昭和25年、第五回は昭和27年、それぞれ4月8日が開催日。(加波山神社拝殿前にあります)
㉒同じく加波山神社拝殿前にプロペラと碇(いかり)があります。
このプロペラは、1962年、加波山頂付近に墜落した航空自衛隊の単発練習機T-6型107号機のものらしい。プロペラの両端が曲がっているのは墜落時の衝撃によるものか?
加波山(三枝祇神社)本宮拝殿から南(丸山方面)へ下りる途中に、殉職者の碑があります。合掌。
碇のほうは、ここに置いてある由来は分からず。
㉓加波山神社拝殿と 加波山(三枝祇神社)親宮拝殿の 間の石段を登って行くと、 やがて岩の登り道となります。 修験霊場の雰囲気を 感じさせる道です。 |
㉔加波山親宮 本殿 標高約681m (加波山神社拝殿・加波山親宮拝殿から約5分) 親宮の里宮は三枝祇神社本宮に合祀されているが、 親宮の拝殿と本殿は、本宮とは別々に社が祀られている。 参拝してさらに上へ。 |
㉕加波山たばこ神社 全国に7社ほどしかない珍しい神社。 加波山神社の摂社。 9月第一日曜日にきせる祭がある。 (加波山親宮本殿から約1分) 参拝してさらに上へ。 |
㉖加波山神社 (加波山天中宮)本殿 標高約699m 社殿の縁台に座って休憩しながら 景色を楽しめます (展望範囲は広くないですが、加波山中で 展望の良いところは、他にはほぼ無い)。 (たばこ神社から約1分) |
㉘燕山ズーム! アンテナ3本目の先が燕山頂上。 ㉙「自由之魁」の碑 → |
㉙加波山神社(加波山天中宮)本殿前には
自由之魁と刻まれた石碑があります。
明治時代、自由民権運動のおり、加波山事件において掲げられた標語。
海抜777mと刻まれた石標もあるのですが、その海抜が正しいのか疑問。(地理院地図のデータによる標高は約699m。差がありすぎ!)
【海抜】近くの海面からの高さが海抜
【標高】東京湾の平均海面が0mの基準面。そこからの高さが標高
㉚加波山神社(加波山天中宮)本殿から、南へ少し登ったところが加波山の山頂! |
㉛山頂にあるのは 加波山(三枝祇神社)本宮本殿 さえなづみじんじゃ 加波山山頂 標高708.8m◬3等三角点(点名:加波) 社に上がる石段の手前、左のほうに三角点はあります。 (加波山神社本殿から約1分) |
㉜加波山(三枝祇神社)本宮拝殿 (本宮本殿から約3分) 加波山本宮の狛犬(狛犬のページ) |
㉝本宮拝殿を下りてスグの所に石碑がいっぱい。その先に鳥居。(鳥居から上へ続く石段は 崩れてしまっているが、通れないこともない) |
㉞道中には、所々で巨石・奇岩が見られます。 |
㉟林道(営林署道路・未舗装)を横切り、さらに下って行きます。 落ち葉がそこそこ積もっている坂道なので、滑って転ばないように注意! (本宮拝殿から約10分) |
㊱林道っぽい道に出ます。(近くには、今は使われていない採石場がある) ここからは広めの登山道を下って行く |
㊲三合目に到着。(桜観音のあるところ。上写真⑧⑨⑩の地点) (営林署道路から約40分) ここからは往路を戻って駐車場へ。 (寝不動を経ず、車道を下った場合は、寝不動の鳥居のところ写真⑤に出ます。) |
山バッジは無いが、御朱印はある! 加波山神社の御朱印 天狗と天狗のうちわ。 加波山神社桜川市真壁里宮の社務所にて¥500 ちなみに三枝祇神社のほうは社務所が開いてなかったので御朱印は得られず。 |
登山ルート
登り=1時間20分 下山=約1時間
🅿 加波山神社駐車場 |
↓約10分 車道歩き |
二合目・寝不動尊(加波寝不動明王) |
↓約5分 |
三合目・桜観音 |
↓約20分 |
五合目・車道終点 |
↓約15分 |
七合目・山椒魚谷 |
↓約20分 |
加波山神社拝殿・加波山親宮拝殿 |
↓約10分 |
加波山山頂 3等三角点 標高708.8m 加波山本宮本殿 |
↓約3分 |
加波山本宮拝殿 |
↓約10分 |
林道(営林署道路・未舗装) |
↓約40分 |
三合目・桜観音 |
↓約10分 |
🅿 加波山神社駐車場 |
↓約3分↑ |
加波山三枝祇神社本宮・親宮 |
加波山三枝祇神社本宮親宮 合祀殿 かばさんさえなづみじんじゃほんぐうしんぐう ごうしでん |
加波山三枝祇神社本宮に親宮が合祀されています。 加波山三枝祇神社本宮は扁額等の名称がまちまちなのでややこしい。 「本宮」=「三枝祇神社本宮」=「加波山三枝祇神社本宮」=「加波山本宮」=「加波山大神」=「加波山神社本宮(←加波山神社側は「加波山神社」の名を使わないでほしいと言っている)」 正式名称は加波山三枝祇神社本宮です。 |
合祀殿には烏天狗(青)と天狗(赤) 陰と陽 |
加波山三枝祇神社本宮の境内には加波山五社稲荷、天狗社なども祀られ、神輿殿、神楽殿、鎌倉~南北朝時代のものと伝わるたくさんの五輪塔もある。狛犬も多数。また、加波山西側中腹を源とする川も流れている。ので、加波山神社よりこちらの神社のほうが歴史的な雰囲気が漂っている。境内も広い。
👉 加波山の南側、丸山林道沿いの駐車場(加波山と丸山の鞍部)から登った場合。
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👉 筑波山塊の山々 宝篋山 ・ 筑波山 ・ 足尾山 ・ 雨引山
燕山 つばくろやま 標高701m 地理院地図
つばめさん、つばめやまとも呼ばれる。加波山北方に連なる山。
加波山北面にある加波山神社拝殿・加波山親宮拝殿の少し下、白い鳥居のところ(上写真⑱の地点)から燕山山頂までの往復。
[加波山頂0.4㎞/桜川市真壁方面/燕山1.0㎞、雨引山6.1㎞/石岡市大塚方面] 道標の指す燕山方面へ約100m進むと林道に出ます。 |
砂利道の林道を上がって行きます。約700mほど林道歩き。
林道の終点にあずま屋があります。 [燕山0.2㎞・雨引山5.3㎞/加波山1.2㎞] 写真には写っていませんが、テレビアンテナ中継所(加波山から見て2つ目のアンテナ)の下の辺りです。 グーグルマップ |
(林道終点には車数台分を停められる駐車スペースがあるにはあるのですが、ここに来るまでの林道は道幅が狭く、しかも悪路なので歩いて来たほうが無難。)
前方に見える燕山に向かって進む。始めは下り道で、すぐに登り道となります。 茨城放送のアンテナ(加波山から見て3つ目のアンテナ)の横を通過し、もう少しだけ登ると山頂です。 |
燕山山頂 標高701m 単なる尾根道のトップといった感じの山頂。 山頂部は細長く、道の両側は木々が林立。 所々に露岩。山頂標と道標あり。 [雨引山5.1㎞/加波山1.4㎞] (林道終点・あずま屋から約200m) (上写真㉗㉘ 加波山から見た燕山) |
木々の隙間から、かろうじて筑波山が見えた。 葉っぱが生い茂る季節は 何も見えないかもしれない。 下山は往路を戻りました。 (加波山方面へ) |